鏡面境界層流の拡散手法は
主鏡面温度と環境温度の差をなくす試みとしての
ActiveCoolingとは対極とも言える異なるアプローチである。
主鏡温度と環境温度の差を容認し
境界層流という光学系に直接影響を与える
屈折率の空間的なゆらぎを拡散させることで
除去しようという試みである。
SCTにおける境界層流の発生源は3種類ある。
1.主鏡・・・上昇流
2.鏡筒・・・下降流
金属鏡筒の熱伝導による内面の冷却
3.CP・・・下降流
薄いガラス面の外部冷却による内面の冷却
それらを一挙に除去可能な方法が
鏡筒内部の空気を均一に撹拌するファンを設置することである。
効率よく空気を循環させるために
鏡筒内に渦流を生み出すようなファンの吹き出し方を
工夫した。
鏡筒を熱的に外部環境と遮断することは
外部環境が大きく変化しても鏡筒からの
空気冷却による下降流の影響が少なくなる効果がある。
CPの開口が大きいが面積比率として鏡筒の
熱遮断の効果は大きいと考えられる。
結果として内部温度と外部温度の差は
持続あるいは拡大することになるはずだが
以外に実観測環境で温度差は時間経過で
スムーズに減少している。
実は望遠鏡が向いている
超低温の天空への熱放射が相当に
大きいことが影響していると思われ
この点に関してのさらなる考察が必要である。
注)
観測開始時の環境温度から徐々に温度が
低下していき明け方に最低に至る。
という標準的な変化を想定した記述である。
0 件のコメント:
コメントを投稿