2016/10/31

ActiveCoolingの意味

主鏡ガラスの温度と
主鏡の置かれている環境温度との間に差がある時
空気を媒体とした熱伝達(対流)が起こる。

これが筒内気流の最も大きな原因となる
物理現象である。
空気の温度差=空気の密度の差=浮力の差で起こる流れであり
空気の密度差=屈折率の差であるので
大きく光学系に影響をあたえるわけである。

主鏡の熱容量が圧倒的に大きいため
環境温度の変化速度に対し主鏡温度の変化は
緩慢で対流が長時間起こる。
温度差がなくなるまで対流は続くわけだが
温度差に比例して対流に基づく伝達熱量が
決まるので原理的に差は0にはならない。

いわゆる主鏡の温度順応というものは
環境温度が変化しなければいずれは主鏡も
同じ温度になり対流は起こらなくなる。
というありそうもない仮定の上に成り立っている。

主鏡と環境温度の差がない=対流が起こらない
という条件をみたすことは、大きな主鏡になればなるほど
困難度は増す。殆ど不可能とも言える。

在来の技術の範囲では
自然対流熱伝達→強制対流熱伝達
というファンの利用による時間短縮であったわけである。

恐らく根本的な解決策の方向性は主鏡を環境温度より
低い温度で冷却することしかない。
それがActiveCoolingである。

鏡面境界層流の拡散手法は対極とも言える
異なるアプローチであるので別に取り上げよう。

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